この章の内容は次のとおりです。
「プランの管理」ページおよび「プランの編集」ページの「処理」メニューは、すべてのプラン・タイプを対象に統合されたプラン管理ページです。なお「プランの編集」ページを開くと、見出しにはプラン名のみが表示されます。
次の表に、「処理」メニューで利用できるオプションと、各オプションの説明を示します。
処理 | 説明 |
---|---|
承認 |
プランに対する承認プロセスを開始し、完了します。 プランを再実行すると、承認済ステータスの欄から承認済ステータスが消去されます。 |
アーカイブ |
プランのアーカイブをします。 |
比較の取消し |
プラン・データの比較を取り消します。 |
クローズ |
ロードしたプランをメモリーからクローズします。このオプションは、需要プラン・タイプにはありません。 |
比較 |
プラン・データを他のプランと比較します。 |
シミュレーション・セットにコピー |
「シミュレーション・セットにコピー」ダイアログ・ボックスを開き、プラン・データを既存のシミュレーション・セットにコピーします。プラン・データには、品目、リソース可用性、リソース構成表などがあります。このオプションは、「供給プラン」タイプおよび「需要と供給プラン」タイプでのみ利用できます。 |
作成 |
新規プランに対するプラン・オプションを定義できる「プランの作成」ダイアログ・ボックスを開きます。プラン・タイプに従って、スコープ、需要、安全在庫および供給の各オプションを定義します。「セールス・アンド・オペレーションズ・プランニング」の各タイプでは、「安全在庫」タブが表示されません。 |
削除 |
プランと、そのアーカイブ・バージョンを削除します。この処理は取り消すことができず、プランはメモリーとデータベースからパージされます。 |
複製 |
既存プランのコピーを作成して、以前に定義したプランを転用したり、シミュレーションによるWhat-If分析を行ったりします。プラン・オプションのみをコピーするのか、プラン・データを含めてプラン・オプションをコピーするのか、選択できます。 |
プラン・オプションの編集 |
プラン・オプションの編集ができる「プラン・オプション」ダイアログ・ボックスを開きます。プラン・タイプに従って、スコープ、需要、安全在庫および供給の各オプションを変更できます。 |
エクスポート |
「プランの管理」ページの「検索結果」表から、データをスプレッドシートにエクスポートします。 |
ロード |
プランをメモリーにロードします。このオプションは、「セールス・アンド・オペレーションズ・プランニング」タイプでのみ利用できます。 |
表、グラフおよび分析セットの管理 |
「表、グラフおよび分析セットの管理」ダイアログ・ボックスを開きます。表、グラフ、タイル、タイル・セットおよび分析セットの検索と管理ができます。 |
オープン |
既存のプランを対象に「プランの編集」ページを開きます。なお、ページ見出しには、プラン名のみが表示されます。 |
プラン・データの公開 |
プラン・データを公開します。 |
リリース |
プランを、「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域から、他のプラン実行システムへリリースします。このオプションは、「供給プラン」タイプおよび「需要と供給プラン」タイプでのみ利用できます。 リリース処理によって、承認済のプランニング推奨内容が実行システムへ公開されることで、サプライ・チェーン・プランニングが他のプラン実行システムと統合されます。その際のプラン推奨内容は、新規計画オーダーの場合もあれば、既存の供給に対するスケジュール変更や取消しの場合もあります。 |
承認の要求 |
プランの承認を要求します。このオプションは、「セールス・アンド・オペレーションズ・プランニング」タイプでのみ利用できます。 |
承認ステータスのリセット |
承認ステータスをリセットします。このオプションは、供給プラン・タイプにはありません。 |
実行 |
プランを実行しデータを生成します。 「実行」をクリックすると、「プランの実行」ダイアログ・ボックスが開きます。「プランの実行」ダイアログ・ボックスでは、データ・リフレッシュ・オプション、スコープ・オプションおよび需要と供給プランの実行オプションを選択して、プランニング・データを生成できます。 |
プランをデータベースに保存 |
プランを、メモリーからデータベースに保存します。 プランをデータベースに保存するメリットは、そのプランを最初にロードしなくてもプランの分析ができるという点です。このオプションは、「供給プラン」タイプおよび「需要と供給プラン」タイプでのみ利用できます。 |
ステータス詳細の表示 |
「プラン・ステータス詳細」ダイアログ・ボックスを開いて、選択したプランに対していずれかのユーザーが行った処理すべてを表示します。ステータス詳細をスプレッドシートにエクスポートすることも可能です。 |
プランを作成してから複製を作成することで、時間を節約すると同時に、プランニング・アクティビティを段階的に実行することができます。たとえば、既存のプランに関係付けられた事業分野 (たとえば組織や品目など) がすでに定義されているとします。この場合、プランを新たに定義するのではなく、既存のプランからコピーを作成することができます。
プランの作成と実行は、一般に次の手順に従います。
ナビゲータで、「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域へのリンクをクリックします。
「タスク」パネル・タブをクリックします。
「タスク」パネル・ドロワーで、「プランの管理」へのリンクをクリックします。
「検索結果」領域の「処理」メニューで、「作成」を選択します。
プランに対して、次の内容を入力します。
名前を入力します。
(オプション)プランの摘要を入力します。
プラン・タイプを選択します。
(オプション)「OTBIレポートに使用可能」チェック・ボックスを選択します。
「OTBIレポートに使用可能」チェック・ボックスは、「供給プラン」タイプでのみ選択可能です。
所有者を選択します。
アクセス・レベルを次のように指定します。
すべてのユーザーがプランにアクセスできるようにするには、「公開」を選択します。
作成者のほか、作成者がアクセスを許可するユーザーのみがプランにアクセスできるようにするには、「非公開」を選択します。
選択したプラン・タイプに従って、必要な情報を1つ以上のタブで入力します(スコープ、需要、安全在庫、供給)。
「保存してクローズ」をクリックします。
「処理」メニューをクリックし、「実行」を選択します。
プランを作成してから複製を作成することで、時間を節約すると同時に、プランニング・アクティビティを段階的に実行することができます。たとえば、既存のプランに関係付けられた事業分野 (たとえば組織や品目など) がすでに定義されているとします。この場合、プランを新たに定義するのではなく、既存のプランからコピーを作成することができます。
次のことをするには、複製を作成する手順に従います。
既存プランを対象としたプラン・データを含むコピーの作成。
プラン・オプションのみを対象としたコピーの作成。
次のようにして、プランをコピーします。
「プランの作成」ダイアログ・ボックスを表示します。
ナビゲータで、「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域へのリンクをクリックします。
「タスク」パネル・タブをクリックします。
「タスク」パネル・ドロワーで、「プランの管理」へのリンクをクリックします。
検索パラメータを入力し、「検索」ボタンをクリックします。
コピーしようとするプランを「検索結果」領域で選択し、「処理」をクリックしてから「複製」を選択します。
「プランの作成」ダイアログ・ボックスで、プランに対して次の内容を入力します。
コピー・タイプを選択します。
プラン・オプションのみコピー: プランニング・プロセスによって、複製プランにプラン・オプションがコピーされますが、プラン・データはコピーされません。
通常、「プラン・オプションのみコピー」オプションでプランを複製した場合、次のステップは、プランを実行する前にプラン・オプションを編集することです。
プランをベース・プランへの参照とともにコピー: ベース・プランへの参照付きでプランを複製した場合、次のステップは複製されたプランを開くことです (プランの実行前に編集する可能性が高いため)。「プランの管理」ページでは、「コピー元」欄にコピー元のプラン名が表示されます。
すべてのプラン・データをベース・プランへの参照なしでコピー: プランニング・プロセスによって、プランに対し完全なスタンドアロンのコピーが作成されます。「プランの管理」ページの「コピー元」欄は空白です。このオプションは、「需要プラン」タイプあるいは「セールス・アンド・オペレーションズ・プランニング」タイプでは使用できません。
名前と摘要を入力します。
アクセス・レベルを次のように指定します。
すべてのユーザーがプランにアクセスできるようにするには、「公開」を選択します。
作成者のほか、作成者がアクセスを許可するユーザーのみがプランにアクセスできるようにするには、「非公開」を選択します。
(オプション)「コピー後にプランをロード」チェック・ボックスを選択します。このチェック・ボックスは、「需要プラン」タイプあるいは「セールス・アンド・オペレーションズ・プランニング」タイプでは選択できません。
所有者を選択します。
「保存してクローズ」をクリックします。
既存のプランがある場合には、「プラン」ドロワーから、または「プランの管理」タスクを使用して、プランを開くことができます。プランを表示するには、必ずその前にプランを実行する必要があります。
既存のプランを「プラン」ドロワーから開いて表示するには、次のようにします。
ナビゲータで、「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域へのリンクをクリックします。
「プラン」ドロワーをクリックします。
「プラン」を展開し、目的のプランを選択します。
「処理」ボタンをクリックし、「オープン」を選択します。
スコープ・オプションで、プランのスコープが決まります。スコープ・プラン・オプションの定義または修正は、「プランの作成」ページの「スコープ」タブ、または「プラン・オプションの編集」ページの「スコープ」タブで行います。需要予測のためのプラン組織、品目、時間範囲およびプランニング・レベルを構成できます。また、プランに対して階層、レベル、レベル・メンバーのようなフィルタも定義できます。
「スコープ」タブには、次のセクションがあります。
プラン組織
予測品目 (「需要プラン」または「需要と供給プラン」でのみ使用可能)
供給計画品目 (「供給プラン」または「需要と供給プラン」でのみ有効)
プラン・パラメータ
プランのフィルタリングに使用する階層、レベルおよびレベル・メンバーを指定します。また、組織のフィルタリングに使用するソース・システムのコードも選択します。「プラン組織」セクションの各フィールドは必須項目です。組織レベルよりも上位のレベルを選択した場合、選択した親レベルに属する組織がプランの対象になります。
需要プランで特定の品目をフィルタリングする際に用いる階層、レベルおよびレベル・メンバーを指定します。選択した内容は、「プラン組織」セクションで選択した内容と合わせて使用されます。親レベルに属する品目が対象となります。このセクションのフィールドは、必須項目ではありません。ただし、階層、レベルおよびレベル・メンバーを指定しない場合、供給計画品目のフィルタリングはできません。この場合、選択された組織の計画品目すべてがプランに含まれるようになり、パフォーマンス予測が可能になります。
「供給計画品目タイプ」については、「製造プラン」(MRP)または「生産プラン」(MPS)を選択します。
供給計画品目については、オプションを選択して供給プランに含める品目を決定します。オプションは次のとおりです。
すべての計画済品目: このオプションでパフォーマンス予測が可能になります。
需要プラン品目およびすべての販売オーダー
需要プランおよびWIPコンポーネント
需要プラン品目のみ
需要プラン品目、WIPコンポーネントおよびすべての販売オーダー
「プラン・パラメータ」セクションは、「需要プラン」、「供給プラン」および「需要と供給プラン」で有効です。次の表で、プラン・パラメータを説明します。
次の表で、プラン・パラメータを説明します。
パラメータ | 定義 |
---|---|
プラン範囲日数 |
プランの対象となる日数。今後の必要性を考えて予測とプランの範囲日数を設定します。プランの実行時間が長くなるのを避けるため、範囲日数は必要最小限にします。デフォルトは180日です。 |
予測カレンダ |
時間レベルの予測と設定に使用するカレンダ。カレンダは、プランに関係付けられたディメンション・カタログに属している必要があります。「需要」または「供給および需要」の各プラン・タイプで有効です。 |
予測タイム・レベル |
予測プロファイルで使用される時間レベル。時間レベルは、選択した予測カレンダにより異なります。デフォルト値は「週」です。「需要」または「供給および需要」の各プラン・タイプで有効です。 |
メジャー・カタログ |
プランで使用する複数のメジャー・セットをグループ化します。必要なメジャーをプランごとに限定して有効化することで、パフォーマンスを高めながら焦点を絞った分析を行うことができます。プランニング管理者が、メジャー・カタログの作成と修正を行えます。 |
価格表 |
収益計算に使用される価格表。値の計算に使用されるデフォルトの価格表は、組織と品目の品目表で定義された「品目定価」です。 |
例外セット |
プランの中で計算する例外を列挙します。さらに、例外の計算で用いられる組織とカテゴリに対するフィルタも列挙します。 |
シミュレーション・セット |
プランに対し、プランニング・サーバー内のデータを変更せずに使用することもできれば、個別にまたは一括更新時に、データを変更することもできます。変更はシミュレーション・セットに保存し、そのプランまたは別のプランに適用します。 |
需要プランの実行時に使用される予測プロファイルを、需要プラン・オプションで設定します。「プラン・オプション」ページの「需要」タブ、または「プラン・オプションの編集」ページの「需要タブ」にある「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域で、需要プランの予測プロファイル・オプションを設定します。供給プラン・タイプに「需要」タブはありません。
「予測プロファイル」領域で、需要プラン実行時に使用可能になる予測プロファイルを選択します。予測の生成に使用される履歴データの量も指定できます。需要プランを実行すると、指定しておいた順序で予測プロファイルが実行されます。
需要プランニング・エンジンは、日、週あるいは月のように、異なる時間レベルで統計需要予測を生成できるようになっています。「プラン・オプション」ページの「スコープ」タブにある「予測タイム・レベル」フィールドで、時間レベルを指定します。
需要プランの中にどの予測プロファイルを含めるかを、「予測プロファイル」領域で指定します。予測プロファイルの入力メジャーまたは出力メジャーは編集できません。予測プロファイルには、次の2つがあります。
予測出荷
入力メジャー: 最終出荷履歴
出力メジャー: 出荷予測
予測記帳
入力メジャー: 最終記帳履歴
出力メジャー: 記帳予測
予測プロセスで使用する履歴データの量を指定します。統計需要予測プロセスでは、このフィールドで指定した数のバケットを用いて、使用される履歴データの量が決定されます。
履歴バケットによって、プラン実行時に生成される需要予測は大きく変わります。最低でも履歴は12か月分を使用します。ただし、ベスト・プラクティスとしては、18か月から36か月分です。履歴バケットを設定する際、次の点に留意してください。
履歴が長すぎると、プランの実行時間に影響するほか、予測が直近の需要パターンにそぐわなくなっていきます。
履歴が1年未満の場合、季節分析に影響が生じます。その中には、年1度の季節変動および祝日の影響の両者が含まれます。
履歴バケットの設定では、予測生成時に使用される履歴の最大量を指定します。実際の使用量は、そのときの品目と組織で使用できるデータがどれくらいあるかによります。予測プロセスでは、各々の品目と組織について、使用可能なすべての履歴データが特定され、正の需要が最初に発生するより前の、需要がないデータがすべて削除されてから、予測が生成されます。
プランの設定によって、履歴開始日が決まります。履歴終了日は、終了日と履歴バケットに基づいて計算されます。
需要予測をどれくらい先まで行うかを指定します。これは、プランのプランニング範囲設定によります。
需要プランの実行時に新たな予測を受け付けない履歴データの最後部から数えたバケット数を指定します。
プラン実行時に予測が生成される最後の日付を指定します。終了日は、プラン範囲と現在のプラン開始日によります。
需要プランを実行するには、この手順に従います。
需要プランを実行するには、次のようにします。
ナビゲータで、「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域へのリンクをクリックします。
「プラン」パネル・タブをクリックします。
「プラン」パネル・ドロワーの「プラン」リストを展開します。
実行しようとする需要プランを右クリックし、「実行」をクリックします。
「プランの実行」ページで詳細を展開して、選択したプラン・オプションを確認します。
データ・リフレッシュ・オプションを確認してから、適当なオプションを選択します。
プランの一部として含めたい予測プロファイルを選択します。
「OK」ボタンをクリックして、需要プランを実行します。
アプリケーションは、次の予測手法に対応しています。
回帰: 古典的な回帰モデルは、季節性の需要および休日と価格による偶然の効果を特定する際に有効です。
リッジ回帰: 1つ以上の原因ファクタによる影響が、他のファクタより劇的に大きくならないようにする回帰手法です。多くの場合、回帰と同様です。
対数回帰: 対数変換した需要パターンに対する回帰です。表現が難しい需要変動を、滑らかにする効果があります。変動の大きい需要パターンに最も適しています。
Holt指数平滑法: たとえば、新たに発売された製品のように、データの量が限られている場合に、この手法を用います。季節性またはその他の原因ファクタによらず、レベルで導かれる予測が生成されます。
疎な需要に対するクロストン法: 大量の履歴データが断続的または疎な状態で存在する場合に、この手法を用います。この手法では、需要の周期性が評価されます。
疎な需要に対する回帰: 季節性の影響か、原因があって導かれる影響がなおも存在する場合に、疎な需要に対して有効です。
需要プランを使用して予測を行う場合は、次の点に注意してください。
需要履歴のある品目と組織の各組合せは、別々に分析されます。
分析では、値がゼロで入力された需要は自動的に削除され、欠落している履歴データは補われます。
分析では、誤った値または突出した値を示す履歴上の起伏も特定されます。
予測プロセスでは、具体的な品目と組織の組合せについて需要履歴の分析をする際に、事前定義されている予測手法のうちどれが最も適しているかを評価し、1つ以上の予測手法を選定します。
原因ファクタを使用して、需要履歴の変動を把握し、正確性と適応性の高い予測を行います。原因ファクタは27あり、予測プロセスではこれを用いて品目と組織の組合せを評価し、その影響を判定することができます。
原因ファクタは、次のとおりです。
年間の12か月
日次データを使用して予測をする場合には、週内の7日
トレンド
価格
6休日 (元日、11月の感謝祭、クリスマス、および3つの休日用プレースホルダ。これらを用いて、他の任意の休日をモデル化できます。)
需要プランニングの必要に応じて、原因ファクタの修正と転用を行うことができます。すべての原因ファクタは共有メジャーの上に成り立っているため、あるプランの原因ファクタ値に変更を加えると、他のプランにも同時に影響が及びます。通常、原因ファクタはフラット・ファイルからロードし、必要に応じて修正します。
原因ファクタの修正は次のようにします。
原因日付に対応する履歴と範囲を対象とする需要プランを開きます。
原因ファクタのメジャーおよび対象となる期間を表示する表を作成します。
原因ファクタの値を修正し、保存します。次にプランを実行する際は、原因ファクタに加えた変更が、予測に反映されるようになります。
需要例外を表示するには、需要プランを開き、例外表を開きます。例外表には、1つでも例外の発生した需要例外が表示されます。
検索機能を使用して、次のような特定の例外領域に着目することが可能です。
例外日
仕様値
組織
製品
各々の需要例外に関係付けられたしきい値を、ビジネス要件に応じて修正できます。さらに、メジャーが評価される集計レベルも修正できます。一般的には、計算が低いレベルで行われるほど、同じしきい値でも、高いレベルに設定された場合より例外が多く発生します。
例外は、2つのファクタで減少します。
上位のレベルで評価されるデータ・ポイントの減少。
下位レベルで発生するデータの変動性とノイズの、集計時における大規模減少。したがって、しきい値とレベルは、実用上最も適切な水準に設定することをお薦めします。たとえば、生産量が十分であることの確認が予測の主な目的である場合、組織集計のレベルは、組織から事業分野へと引き上げるべきです。
ビジネスに関する情報とビジネス・インテリジェンスに基づいて、統計予測を上書きできます。
予測の上書きは次のようにして行います。
目的のプランを開き、目的の予測メジャーが使用された表を開きます。
表には、データの表示をしようとするディメンションと階層が含まれています。複数の階層とレベルを持つ表を使用して、データが目的どおり集計されるように、階層を折りたたんだり展開したりすることが可能です。
セルをダブルクリックし、目的の値を入力して上書きします。そのセル以外に移動すると、上書きしたメジャーに関連して計算されるメジャーが、即座に変更されます。
「保存」をクリックします。保存されていない変更を破棄するには、保存せずに表を閉じます。
需要のプランニングを行う場合、プランニング・サイクルは通常、毎週または毎月です。このサイクルの中で、様々な予測をレビューし、様々なシナリオを試して、最も適切な需要予測に近づくことができます。サイクルの終了後には、ベスト・プラクティスとして、次の予測サイクルの開始時に静的な予測として残しておけるよう、予測のスナップショットまたはアーカイブを作成します。作成した静的予測は、他のプロセスのインプットとして使用できます。
サプライ・チェーン・プランニング・アプリケーションで「承認」処理を使用して、需要予測を別途、保存することができます。予測が承認されると、承認された値は、予測が再び承認されるまで変わりません。
次の図は、需要プランニング・プロセスを表現したもので、プランの承認で起こる相互作用を表しています。
需要プランニング・プロセスには、プランの実行、ユーザーによるプランのレビューや上書きなどがあります。そうしたステップによって、最終出荷予測や最終記帳予測が左右されることがあります。
プランの予測が、承認を得られるほどの完成度に達したと判断した場合、「承認」処理を実行します。承認処理では、2つの最終予測メジャーからデータが抽出され、「承認済最終出荷予測」および「承認済最終記帳予測」のそれぞれにコピーされます。
Oracle Demand Management Cloudを使用して、予測の調整と部門横断的な予測の整合性確保を円滑化します。予測の調整では、部門横断的チームから取得した予測を、集計レベルと詳細レベルの両方で確認することができます。
予測の調整は、次の作業に有効です。
プラン・レベルでの予測の比較、およびある期間内または異なる製品セグメント間における変動の表示をすること。
販売と最終出荷予測の乖離のような組込み例外を使用して、販売予測を実際の見積に合わせて調整すること。
カスタムの例外と計算を使用して、評価基準に最も合致する、より具体的な問題を特定すること。
条件付き書式設定を使用して、具体的にどの週に、あるいはどの品目に問題があるのかを素早く特定すること。
予測に対するレビューと承認のプロセスでは、統計的予測の生成後にプランの予測を承認できる場合のフローが示されています。必要に応じて、予測のレビューと修正を行います。予測を検証した後に、プランの予測を承認できます。
承認処理では、指定した承認済メジャーに予測データがコピーされ、プラン・ステータスが承認済に変更されます。
たとえば、次のような処理が行われます。
「記帳予測」の場合、承認プロセスでは、データが「最終記帳予測」メジャーから「承認済最終記帳予測」メジャーにコピーされます。
「出荷予測」の場合、承認プロセスでは、データが「最終出荷予測」ジャーから「承認済最終出荷予測」メジャーにコピーされます。
承認処理では、次に示す3つの承認関連プラン属性が更新されます。
「承認ステータス」属性が「承認済」に更新されます。
「最終承認者」属性が、承認をしたユーザーの名前に更新されます。
「最終承認日」属性が、プランに対する承認プロセスの日時に更新されます。
プランの属性は、「プランの管理」ページからレビューできます。
プランの承認ステータスをリセットするには、プランの「処理」メニューへ移動し、「承認ステータスのリセット」を選択します。これにより「承認ステータス」プラン属性がリセットされます。
需要プランは、組織の需要予測サイクルに応じて実行します。通常は、週単位または月単位です。あるいは、履歴データまたは原因ファクタに大きな変化が生じた場合や、新製品が追加された場合にも、需要プランを実行します。
プランのアーカイブにより、時間の経過とともに、複数バージョンのプランを保存することができます。ある時点におけるプランの主要なメジャーをアーカイブできます。アーカイブをすることで、現在のプランのデータを、プランの過去のバージョンと比較できるようになります。プランの過去のバージョンを確認すると、プランに対して加えられた戦略的あるいは戦術的変更の影響を確かめることができます。
たとえば、プランを5月にアーカイブした後、9月になって市場の条件によりプランの調整が必要になったとします。その場合、5月にアーカイブされた過去バージョンのプランと現在のプランとの間で、キー・パフォーマンス・インジケータの変化を確認することで、プランに対する調整の影響を分析することが可能です。
アーカイブは、アドホック・ベースで作成できます。またユーザーは、サプライ・チェーン・アプリケーション管理者がMAPE統計を計算するために作成したアーカイブを利用することも可能です。アーカイブは、週または月のレベルで作成します。
アーカイブを作成するには、「プランの実行」ページで「アーカイブ」オプションを選択します。あるいは、「プランの管理」ページの「処理」メニューで「アーカイブ」オプションを選択することで、プランの実行とは独立してアーカイブ・プロセスを実行できます。開いているプランのアーカイブを作成するには、「処理」メニューで「アーカイブ」を選択します。
「プラン・オプション」ページの「スコープ」タブからスコープ: 詳細オプションダイアログ・ボックスにアクセスして、アーカイブ・パラメータを設定します。
プランをアーカイブするには、アーカイブ・オプションを有効にしておく必要があります。
アーカイブ・プラン・オプションを構成するには、次のようにします。
ナビゲータで、「サプライ・チェーン・プランニング」作業領域へのリンクをクリックします。
「プランの管理」をクリックしてプランを選択してから、「処理」メニューで「プラン・オプションの編集」を選択します。
「スコープ」タブで「詳細オプションの選択」を選びます。
スコープ: 詳細オプションダイアログ・ボックスで「アーカイブに使用可能」を選択します。
次のようにして、アーカイブ・パラメータをレビューし変更を加えます。
使用するカレンダを選択し、アーカイブ時間レベルを設定します。
アーカイブ時に使用するメジャー・カタログを選択します。
アーカイブを自動で削除するオプションを選択します。これにより、「保持する直近の日数」パラメータで指定した日付より古いアーカイブが、自動的に削除されます。
「完了」をクリックします。